マンションを買う・4 ~決め手は自分らしさ~

物件のしぼり込みも進み、ローンの裏づけもとれた。
いよいよ!…なんだけど、ふんぎりがつかない。

思い切って田舎に出かけてみたのが先々週の日曜日。
妻さんもぼくも、緑あふれる山は大好き。
ひょっとすると「田舎暮らしもいいよなあ」なんて選択肢も出てくるかもしれない。

家から車で2時間。
3歳の息子も1歳の娘も冷たい清流に入ってキャッキャと声と水しぶきをあげる。
体をあたためるのをかねて、温泉に入る。
地元のおじいちゃんが息子にやさしく声をかけてくれる。
帰りの車窓には「一戸建て新築 1,680万円」なんて看板も目に入る。
あー、充実したひと時。

「でも『たまに』でいいや。」

休日には充実した日々が送れるかもしれないけど、平日を中心にした通勤時間に多くの時間を奪われ、子どもたち会いたさに慌てて帰れば視野の狭い生活になる。
都会特有の知的刺激が僕自身には必要。
いま住んでいる近所でしぼり込んだ物件なら、帰ってから子どもとワンラウンド遊ぶ時間が毎日ある。
子どもが小学生ぐらいになったら、学校帰りに職場に電車で来させいっしょに映画を観て帰る…なんて夢もみる。

そして、いま住んでいる地域が好き。
交通の便のよさと、緑と、幅広い年代との近所づきあいと、夏祭りをはじめとする文化的な歴史と…生まれてからこれまで12回引越ししたけれど、もっとも自分の感性にあった街に住んでいるという実感がある。
もちろん子どもが生まれて地域とのつながりが深くなったという面もあるだろうけど。

最後の最後は、妻がマンションを推し、ぼくはどちらかというと戸建てに未練があり…。
でも、ぼくはずっと家は「舞台」にすぎないと思ってきた。
つねに小さいライブハウスよりも武道館のライブの方がいい、というわけじゃない。
結局はその舞台で「何を」「どのように」やるかが大事じゃないか…と考えていたことを思い出し、われに返る。
相対的に高い戸建てよりもマンションに、「舞台」の予算を節約して中身を充実させよう、と。

きょう、無事に一通りの契約が済み、新居のカギがいまこの手に。
新しい「舞台」で何がはじまるか、何をはじめるかのワクワクと、引越しのわずらわしさとをかみしめている。