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世界の中心で、愛をさけぶ 小学館文庫
出版社 : 小学館
著者 : 片山 恭一 / 定価 : 520円(消費税24円ふくむ)

いい大人がこっぱずかしいのだけれど、なかなかよかったので。
ちょうどブームのほとぼりが冷めたころに読んだのだけれど、やはりブームのときに騒がれていた「純愛」のエピソードはこの小説のごく一部分にすぎない。

若いころの、相手の一挙手一投足にストレートに心臓の鼓動が反応したり、血がわきたったり逆流したりの恋心。
そんなにまで愛した人を失ってしまったときの深く苦しい喪失感。
それは、この小説のように死別でなくても…自分としては死別はまだ経験していないが…感情移入できるのではないだろうか。
深い愛と深い喪失感を1つのベクトル上でとらえる試みが新鮮であり、また同時にむなしくもある。
説明できない煩悶を合理化するためのさまざまな自問自答が息苦しく美しい。
登場するおじいさんとの対話を通じて、読者は、生き、愛し、死ぬことをめぐる哲学に引き込まれる。

映像はいらない。

登場人物たちといっしょに人生の大切なことを真剣に考えるところにこの小説の価値がある。
最後に待っている美しい風景に救いとあたたかさを感じられるのがいい。

ちょうどほぼ飛行機の1フライトの間に読んでしまったのだが、冒頭のみずみずしい恋愛を描いているあたりは青空の中を飛び、アキの発病から死までのあたりを夕焼けから黒い空の中、ラストのある種のすがすがしさをかみしめながら東京のキラキラした夜景の中にランディングしていく…じつにぴったりとシンクロしていて感動ひとしおでした。

「Java のドリル」

Javaのドリル
著者 : 瀬戸 遥
出版社 : ソシム / 定価 : 2,100円(消費税100円ふくむ)

これもまた、バリバリとミニプログラムをつくる、基礎トレのイメージで選択した。
しかし意外にも、プログラムの穴埋め問題や、用語理解の○×選択など、「ドリル」の意味合いの濃いものだった――まあ、間違っちゃいないんだが。
それにしては、オブジェクト指向の解説が、全8章立てのうちの第4章「クラスの作成と活用、インターフェイス」の部分に押し込められていて、消化不良な印象がある。
また、Swing をつかった Windows アプリケーションにページを割いているが、いまの Java の実践的な利用状況を考えるとちょっと古臭いような。
Java の概念的な入門書を読んだ後の「2冊目」におすすめという感じだろうか。

結論的にはやや物足りない。
自分としては、それがある一定の水準をクリアーしたことを意味しているのだと積極的に評価したいと思うが。
続編の「活用編」も買っちゃったんだけどなぁ…。

「忘れ雪」


著者 : 新堂冬樹
出版社 : 角川書店 / 定価 : 1,680円(消費税80円ふくむ)

この本のどこに価値があるかというと、その70%は表紙イラスト。
前半、この犬をめぐるストーリー展開には残り29%の価値あり。
後半、「あれ? 純愛小説のコピーで読みはじめたんだけど…」の違和感をひきずったまま、どうでもいいテレビのサスペンス劇場みたいな陳腐なエンディング。
あーあ。

文庫版もでてるようです。
でも、古本だったら文庫版より安そうなこのハードカバー版のほうがおすすめ。
表紙イラストが大きいもん。

オブジェクトテクノロジーワークブック VOL.3デザインパターンワークブック
著者 : 岡村 敏弘
出版社 : 翔泳社 / 定価 : 2,394円(消費税114円ふくむ)

デザインパターン3点セット、Part3。
タイム・ラグができてしまったが、デザインパターンを学ぶのに並行してつかっているテキストのラストがこれ。
以前に紹介してきた「オブジェクト指向ワークブック」「UMLワークブック」のシリーズ第3弾でもある。
慣れというのもあるけれど、「あー、あの本のだいたいこのあたりにでていたな」という、視覚的な印象がつよく残ってくれるのがありがたい。

…デザインパターンの紹介になってないな。
ちょうど、「Java開発者のためのアンチデザインパターン」と、GoF本のあいだぐらいの抽象度なので、「Java開発者のための…」のサンプルコードでパターンの実例と雰囲気をつかみ、この「デザインパターンワークブック」で抽象化するとともにUMLで視覚的な記憶を起こし、念のため(というかハッタリか?)で、GoF本を確認する、という感じで使っている。

いずれの3冊とも1冊をとりだすと、「自分のレベルにぴったり」とはいいがたいが、3冊のコンビネーションはなかなか当たりです。

Java開発者のためのアンチデザインパターン―失敗を回避する秘訣
著者 : 安藤利和
出版社 : 技術評論社 / 定価 : 2,499円(消費税119円)

以前に紹介したGoF本で挫折しかけていたデザイン・パターンを、あらためて集中的に勉強中。
後で紹介するしようと思っているもう1冊とGoF本との3冊で、文字通り並行して勉強しているのだが、中心になっているのがこの1冊。

パターンが必要となる前提、タイトルどおりJavaだがコードがていねいで実際どんなクラス構成になるかがよくわかる。

残念なのは、もくじや見出しにも出ているのに、本文からばっさり抜けてしまったようなパターン(Prototype)があること。
もうひとつ、絶版のようで、これから入手が困難になりそうなこと。

「かんたんUML」

かんたんUML
著者 : オージス総研
出版社 : 翔泳社 / 定価 : 2,079円(消費税99円ふくむ)

ちょい古で、読みかけだったのをクリアー。

全体として、かなりもりだくさんの内容。
「UML導入して成功しちゃったよ」物語(小説風)、トップマネジメントレベルでのUMLの意義など、いまUMLを身につけることがもとめられているという(ぼくのような)人には、はっきりいってムダな部分が多い本。
まあ、時代の要請というか、すでにUMLが一般化してしまった現時点ではそのあたりはそもそも存在意義がないような気もする。

途中の、例をもちいた分析・設計の解説こそが目玉なのだろうが…やっぱりまどろっこしい。

で、最後のUML技術者認定試験対策の部分は、これはたしかに類書がない感じだが…UML技術者認定試験そのものが、「UMLモデリング技能認定試験」にかわってしまったのね。

その辺もふまえて「かんたんUML[増補改訂版]」が出ているようです。
読んでみる?

Visual Basic練習帳
著者 : 笠原一浩
出版社 : ソフトバンク クリエイティブ / 定価 : 2,940円(消費税140円ふくむ)

この間 C# を中心に勉強してきたが、いまの時点で自分に必要なのは、これ以上の知識ではなく実践なのではないか、と意識しつつある。
昔、「(プログラミングは)習うより慣れろ」と、ドクターパソコンもいっていた(←年がバレる)。

そこで、子どものころの算数ドリルとか漢字練習帳のように、バシバシと小さなプログラミングをくりかえせるようなテキストはないだろうか、と探していた。
Javaのドリル」なんて本も見つけていたのだが、問題数の多そうなこちらを(とりあえず)チョイス。

「…C# の勉強してて、VB や Javaの本!?」とツッコミが入りそうだが、解説はほかの本でカバーできるので、あくまでゴールの見える課題がほしかった、というだけ。
実際、この本 + 話題の Visual C# 2005 Express Edition でやっているのだが、ノープロブレム。
まだはじめたばかりなのだが、バシバシと練習問題を解きまくるというねらいとしてはあたった感じがする。

さらに、これまで積み上げてきたことを生かしてのぞもうと、テストファーストで、これらの課題をクリアーすることに挑戦。
テストツールとしては、NUnitベースの TestDriven.NET を使用している。

NUnit の解説としては、こちら、「@IT:.NET Tools : テスト駆動開発ツール最前線」を参考に。
しかしながら、これまたサンプルが VB だったりするので、また「翻訳」に一苦労。
なんか楽できないかなぁ…と思って見つけたのが、こちら「[おすそ分け] NUnit Test Case な VS2005 用アイテムテンプレート」」(菊池 Blog)
おー、こりゃ便利。
というわけで、新しい本 + 新しいツール群のおかげでワクワクとのぞめるというのも幸せなり。

Web2.0の原典

iNTERNET magazine 2006年1月号 make innovation with technology ! [雑誌]
発行元 : インプレス / 定価 : 1,050円(消費税50円ふくむ)

オライリー氏の「What Is Web 2.0」が掲載されていたので、バックナンバーを入手。
Web上でも同じものが読めるんだけど、アナログ人間の自分としては、紙媒体で見直すことで印象がつよくなるし、自分の財布を痛めることの意味もあるだろうということで。

なんかまことしやかな規格っぽい名称にもかかわらず「Web 2.0」ってのはここ最近の「傾向」ってことだ。
やや拍子抜けの感もあるが、なだらかにすすんできたWebの発展の質的変化をとらえるというのはなかなか意義深いと思う。

つづき »

SEのためのソフトウェアテストの基本
著者 : 山本 吉信
発売元 : 翔泳社 / 定価 : 2,100円(消費税100円ふくむ)

「基本」というほど、読みやすくはない。
なぜだろう…と考えると、基本的に用語集 + 経験からくる格言という印象なのだ。
章立ての順番も、あまりすっきりしたものではないし、最後の記述も「あれ? 終わり?」という感じ。

しかしながら、基本中の基本――考え方や、神経のおきどころはわかった…気になる本。
「わかった気になる」というのがミソで、たぶん何もわかっていない。
ソフトウェアテストは奥が深いから、もっとつっこんだ勉強の必要があるよ――というのが「基本」ということなのだろう。

「博士の愛した数式」

博士の愛した数式
著者 : 小川 洋子
出版社 : 新潮社 / 定価 : 460円(消費税21円ふくむ)

映画を見た後、原作本に挑戦。

昔はこういうケースだと、映画が原作と違うことに違和感を引きずったものだが、なるほどこういう面は映画的、こういう部分は文学的というようにメディアの特性に応じたリファインに感心した。
そういう自分の成長を感じもした。

総じて、映画の方はスケール感があって「画(え)になる」エピソードがもりこまれているし、原作の方は人間同士の心理描写や数式をめぐる理知的なエピソードの印象を深められる。

結果として、映画→原作本の順番は正しかったと思う。
今週末からロードショーですね。
映画を楽しみにしている人は、原作本を読むのをもう少しガマンすることをおすすめします。

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