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★★★★☆ [90点]「あくまで父と子のドラマなのだ」

ロボット、ボクシング、父と子のドラマ…男子が大好きなものがてんこ盛り。

そして良さげなレビューが多かったので楽しみにしていた。

それでも見るまでのイメージは、父と子とロボットの3人の映画。

しかし、見終わっての印象は、あくまで父・チャーリーと子・マックスががっつりと主役。

ロボット・ATOMはその特殊機能と同じくシャドウ--影の存在として描かれる。

場面によって、子にとっての父となり、父にとっての子となり、そして両方の鏡の中の自分となる。

ここんところが、この映画のすんごくよくできているところ。

逆にいうと、ATOMなしでは、ただのボクシングもので暑苦しい映画になるところを、現代的なデバイスを通じたコミュニケーション、クールに装っているけれど実は熱い…みたいな感じに仕上げるのにも貢献している。

父親としては、チャーリーが「正しいと思う道を進む」「息子のために戦う」ことを、気恥ずかしさを見せながらマックスに語り、行動していく勇気がカッコいい。

そしてマックスもその姿に心を打たれ、呼び方を「チャーリー」から「父さん」に変える瞬間には、涙どーっ!

しかし、もしかしたら本当の影の主役は、視覚効果。

日なたでの木陰の場面から、スポットの当たる暗い室内まで、すべてのシーンでロボットたちの存在に違和感をおぼえさせないのはすごい。

だからこそ、ATOMを軸にした父と子のドラマをじっくりと味わえるのだ。

Posted by Dai on 2012/03/20 with ぴあ映画生活