この映画を見てはっきりと自覚した。
以前にも少し書いたことだが、ぼくが悲劇の映画やドラマを見て泣けるかどうかは、その悲劇をけっしてくりかえしてはいけない、という作り手の思いの強さに比例するのではないかと思う。
無論、「作り手の思い」などというのは数値化できないので、そのあたりの厳密さを追及されると困るのだが。
少なくとも、悲劇をくりかえさないことに真剣になれば、その悲劇がなぜ起こったのかを真剣に探求するはずだ。
いうまでもなく、この映画における悲劇の元凶は、ヒロシマに投下された原爆だ。
同名の原作漫画同様、けっして声高に反戦・反核をさけぶ映画ではない。
しかし、声高でないことと、真剣でないこととはまったく別物なのだ。