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ラプソディー in 「総額表示」

明日4月1日より、消費税をふくんだ支払総額の表示を義務づけるという「総額表示」なるものが、事業者の義務となり、スタートする。
まず最初に宣言しておくと、このホームページでは、4月1日移行以降紹介する商品については、「消費税をふくんだ総額表示」と、あわせて「消費税額」を表示するものとしたい。

この間の日曜日(3月25日)、近所の大型パソコン・ショップをたずねると、すべての商品について従来の値札シールをはがしながら、新しい「税込価格」の値札シールを貼っていく、しかも電卓で一つひとつの商品について「税込価格」を計算しながら、という途方もない作業をしていた。
何の価値もうみださない労働をしいられる――ぼくがかつて経験したバイトでも、もっともイライラしたのはこの種の作業だったが――従業員の気苦労もさることながら、その労働者に払う賃金、値札シールの費用など、企業にとってもいったいどれだけの浪費になるのか。

まあ、政府にとっては、準備に要する「浪費」で GDP が上昇すれば喜ばしいのかもしれないが。

しかし、やはり問題なのは消費税そのもの。
今回の総額表示方式の最大の問題は、消費税が見えにくくなる、ことだ。
酒税やタバコ税は、すでに「総額表示」なわけだが、自分をふくめ、多くの人はいったい税額がいくらなのかを意識したことはないはずだ。
いま「年金のため」(なら仕方ないという妥協もふくめて)、と消費税を4%程度あげよう(ほぼ倍!!)という声が自民党、公明党、そして野党の民主党からもささやかれている。
なぜいまわざわざ消費税を見えにくくするか、の答えがここにある。

そもそも消費税は、生きていくために最低限必要な支出が、収入のほとんどをしめる低所得者、もっとわかりやすくいえば生活保護よりも低水準の年金生活者などにより重くなる。
「年金のために消費税をあげる」といっても、結局年金生活者にとっては、その給付増が消費税の増税分で帳消しになる、というまぬけな話もあながち冗談ではない。

ぼくは、福祉・年金の財源として消費税はふさわしくない、と考える。
むしろ税率は下げるべきだともずっと思ってきた。
だから「消費税を5%から3%に」という声が国民的にも大きくなったある一時期、公明党が税率を下げるのに反対した理由をぼくは絶対に忘れない。
それは、「(いまさら消費税を下げたら)混乱が起きる」というもの。
では、いまの「混乱」をいったいどう説明するのだろう。

そもそも、5% から 3% にかわるときには、多くの業者が「消費税率はかわるもの」という前提にたったシステムの変更をおこなった。
たとえば、税率が固定値の 3% だったレジスターや電卓などのシステムは、単純に 5% にするのではなく、税率を変更できるように改善・交換された。
それなら 3% にするのも簡単じゃないか――と当時思ったものだが、今回の「総額表示」にもとめられる対応は、その次元をこえた「大混乱」ではないか。

ぼくはすでに総額表示になっている商品を見て感じたのだが、多くの人が明日以降、「総額表示」の値札を見て「何だか高いなぁ…あ、消費税込みだっけ」という驚きと納得をしばらくくりかえすことになると思う。
しかし、その「何だか高いなぁ」の感覚を忘れないでほしい。
それこそが、「消費税の重みそのもの」だからだ。
もちろんその感覚につけこんだ便乗値上げもおこりえるんじゃないかと思う。
いずれにしても国民にとっては、せっかくの桜咲く春におとずれる冷たい雨――きのうの天気のような――になるだろう。
長くつづくより冷たい雨になるかどうか…は世論しだいなので、長期予報まではできないが。

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