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「九州の蒸気機関車」

九州の蒸気機関車

著者 : 鉄道少年探偵団
出版社 : 海鳥社 / 定価2,415円(消費税115円ふくむ)

この写真集の主役は人間であり、蒸気機関車はそのあこがれの対象である。
「福岡地方に珍しく雪でも降ろうものなら、一も二もなく撮影に飛び出してゆく。学校はいったいどうなっていたのやら」(「はじめに」より)――そんな撮り手たちの熱い青春こそがこの本のテーマなのだろう。

表紙の写真一つとっても、いったいどうやって撮ったものやら。
線路に立ちはだり、運転手にどやされるかもしれない、ぎりぎりのところで必死にシャッターチャンスを待つ心臓の鼓動が伝わってくるようだ。

もしかしたら、被写体は時代のアイドルでもよかったかもしれない。もっといえば、こうして形に残らない、スポーツでも音楽でもよかったかもしれない。
友人、いや同志たちと過ごした濃密な時間がページのなかに凝縮されている。
そういう集中力と情熱があったのが蒸気機関車に代表される昭和という時代だったのだろうか。

単なる鉄道写真にとどまらず、時代を切りとったジャーナリズムを感じさせる一冊である。

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