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「リーグ・オブ・レジェンド」

リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い [DVD]

なーんか、いまはお正月映画前の「なぎ」状態なのかね ?
「キル・ビル」と「マトリックス・レボリューションズ」だけがとびぬけた状態で、あとは…。
そんななかで、ちょっとひっかかっていた「リーグ・オブ・レジェンド」を見てきた。
伝説の冒険家アラン・クォーターメインをリーダーに、透明人間、吸血鬼、ジキルとハイドに、トム・ソーヤが、ニモ船長のノーチラス号にのって大暴れするという…。


敵として、「オペラ座の怪人」のファントムに、シャーロック・ホームズの宿敵モリアーティ教授が登場する。
街の張り紙(新聞の号外なのかな ?)に「火星人が…!!」とかいう見出しがあったりして、当時の一連の小説へのオマージュが感じられる。

この設定だけで十分お腹いっぱいなわけだが、彼らが第一次世界大戦を止めようとがんばるのがいい。

思えば、19世紀から20世紀にかけての科学のイメージには、よくも悪くも「夢」があった。
この映画でのニモ船長のノーチラス号や、同じくニモ船長所有の自動車の造形には豪華さ、高性能、そして美しさをかねそなえた、いい意味での科学のイメージが凝縮されている気がする。
もちろん、透明人間やジキル博士が発明する薬のような科学の暗黒面に対する警告もあった。
しかし、彼らはこの映画では「科学を悪用させるわけにはいかない」と立ち上がる。

ちなみに、第二次大戦後10数年で生まれた、わがヒーロー「仮面ライダー」もこの科学と人間性の間で苦悩する。

仮面ライダーSPIRITS (1)*

科学の力で世界を支配しようとするショッカーと、その科学の力で生まれながら人類を救うためにたたかうという葛藤――2 つの世界大戦と公害などの環境破壊がこうした苦悩の背景となっている。
仮面ライダーについて石ノ森章太郎さんは、「自然(バッタによる象徴)が直接人類(文明の象徴)に反旗を翻すのではなく『仮面ライダー』(バッタと人間のハーフ)、すなわち自然と人間が協力して”悪”(歪んだ技術文明…引用者)に立ち向かう……。自然と上手に共生する事が人間の叡智。『仮面ライダー』こそが”真の文明”のシンボルなのだ」(↑のコミック1巻巻末より。出典が記されていないので孫引をご容赦願う)と文章に残しておられるとのこと。

実際の歴史は、「リーグ・オブ・レジェンド」の心配と苦労をよそに(…かどうかは知らないが)、2 度の世界大戦が起こり、一瞬にして数千、数万の命をうばう核兵器が開発され地球を何度も破壊できるだけの配備が現在進行形である。

でも、はたして人類は科学のおそろしさに翻弄されているだけなんだろうか ?

「クウガ」以降の最近の仮面ライダー・シリーズでは、敵が、科学を利用する悪の結社から、オカルト的な存在に変化している。
ここには、「科学の力で人類を征服しようなんてのは現実的じゃない」という歴史の進歩が背景にあるとぼくは確信している。(一方で、安易にオカルトをもってくることを評価するつもりはない)

公害や薬害、環境破壊は、それを許さない世論が形成され、それをおこなうものにはなんらかの「制裁」がくわわる。
戦争もしかり。
イラク戦争をめぐって、「戦争をはじめさせない」ためになんらかの行動をした人の数は、おそらく日本国内でも、世界的にも史上最高だろう。
そして、それを強行したブッシュ大統領やイギリスのブレア首相は窮地においこまれている。

映画では、ショーン・コネリー演じるクォーターメインが、青年トム・ソーヤに「これからはお前たちの時代だ」とメッセージを送る。
これはどういう意味なんだろう ?

「リーグ」中、ただ一人のアメリカ人、トム・ソーヤ。
「これからはアメリカの時代だ」という意味なのか、それとも「トム・ソーヤの冒険」で描かれた、人種なんか気にせずに友だちを大切し、自然を愛した素朴な人間を象徴する、トム・ソーヤ像に対するメッセージなのか ?
映画の舞台となった 19 世紀を基準にすれば「アメリカの時代」といえなくもないが、この映画が製作・公開された現時点では、「これからどんな世界をつくっていくのか」が問題なのであって、いまの瞬間は結論を出すには早すぎるかもしれない。

…と、この間の問題意識が爆発してしまった。
そんなに大それた映画だったかな?

「リーグ・オブ・レジェンド」日本語版公式ホームページ

* 「仮面ライダー SPIRITS」1巻
原作 : 石ノ森章太郎 / 漫画 : 村枝 賢一
出版 : 講談社 / 定価 : 552 円(税別)
現在、5巻まで発売中

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