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MISIA「星空のライヴ – Best Acoustic Ballade」

MISIA 星空のライヴ -Best Acoustic Ballade-
発売元 : Rhythmedia
型番 : RXCD-21037 / 定価 2,913 円(税別)

30 過ぎて本格的にギターをはじめた友人が、「音楽の基本はライブなんだよ。演奏する人がいて、聞く人がそこにいて、文字通り”空気”を共有しているってのが音楽なんだ」と話していた。なるほど。
そっちは演奏するほう、こっちは聴くほう、でも1つの独特の空気を吸っている…うまくいえないけど葬式でもらい泣きがひろがっていくのに通じる…なんともいえない一体感がライブにはある。
そもそも MUSIC の語源は、古代ギリシャでその”神がかり”状態を生み出すとされた音楽や芸術の神 MUSE(ミューズ)から来ているのだから、”ながら”仕事のヘッドホン・ステレオを「いい音楽」などといっているのは文明がもたらした貧困なのかもしれない。

MISIA さんには、デビュー・シングルの「つつみ込むように…」で「これは息の長くなるであろう本格派だ」という印象をうけて、当時自分がかかわっていた新聞の記事でもピックアップしたことがある。

しかし、その本格派ぶりは、どことなく完璧主義的な、スタジオという秘密の工房でつくり出された芸術品という印象があった。
それはアップテンポな曲で、リズムマシン的な無機質のリズムとの対比で MISIA さんのあたたかい声をきわだたせるというアレンジのせいだったかもしれない。
もちろん、「できすぎ」と思わせるハイレベルな歌のせいもあるかもしれない。

今回のアルバム「星空のライヴ- Best Acoustic Ballade」は、初のベスト・バラード集であると同時に、なにより初のライブ盤だ。
聞いて驚いたのは、アーチストとしてのカリスマ的な存在感を感じさせる歌声だ。
先の「秘密の工房でつくり出された芸術品」というのは撤回。
アーチストとの距離感や、ライブむけのパワフル・アレンジの成功といった範囲で、悪くないライブ盤は数あれど、何万人という人が集まっているであろうひろいライブ会場に充満する”神がかり”なパワーを感じさせる、これだけのライブ盤は貴重だろう。

ただ、1曲目の終わりから観客の拍手がすーっとフェードアウトするなど、ライブの疑似体験という意味では、残念な要素も残されている CD だ。
これは計算外のミスなのか、「ライブに来なさい」というプロモーション的な意図なのか…。

実は、この CD を買う前から来年早々の MISIA さんのドーム球場ライブのチケットをゲットしている。
これまでタイミングや機会を逃してきただけに本当に楽しみだったが、このライブ盤を聴いてますますワクワクしてきているのだ。
本物の音楽、本物の MISIA に会える気がして。

「MISIA「星空のライヴ – Best Acoustic Ballade」」への1件の返信

> しかし、その本格派ぶりは、どことなく完璧主義的な、
> スタジオという秘密の工房でつくり出された芸術品という
> 印象があった。

なるほど。
私の世代で言うと、高橋真梨子という人がやはり同じ印象を受けましたね。ライブを聞くとすばらしいんだけど、アルバムで聞くとちょっとまとまりすぎている印象で、あまり面白くない。

さらに古い例だと、吉田拓郎とか──極端な例かも……

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