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フェアグラウンド・アトラクション「ライヴ・イン・ジャパン(KAWASAKI)」

フェアーグラウンド・アトラクション・ライヴ・イン・ジャパン

先日 CD ショップで、「うおー!! こんなん出てる」と思わず叫びにも似た独り言をつぶやかせたのがこのアルバムだ。
ソッコー買い。
フェアーグラウンド・アトラクション(Fairground Attraction)は、80年代末にシングル「Perfect」で全英シングル・チャートで 1 位を獲得、デビュー・アルバムの「The First of a Million Kisses」(邦題はちょっとトホホな「ファースト・キッス」)もヒットして、日本をはじめ、ヨーロッパ、アメリカなど、世界的なツアーも成功をおさめた。
フォーク、カントリー的なアコースティック・サウンドにイギリスの伝統的な民族音楽的な要素もとりいれながら、ボーカルのエディ・リーダーのキャラクターあって、癒し系というよりは実に元気のでる独特のサウンドをつくりあげた。
が! なんとそのアルバム 1 枚だけを残して解散してしまったという、幻のバンドなのだ。


解散を惜しむ声は大きく、解散して何年かたって「幻のセカンド・アルバム」やら、「未収録音源」やらのアルバムが発売されるという、ある種、ビートルズのそれに似たような商売が十分なりたつほど、人気は衰えない。

そういうぼくも、レーザーディスクのライブ盤をもっているし、カビの生えたβのビデオテープに別のライブをエア・チェックしたものが実家においてあるはずだ。
おととしはボーカルのエディ・リーダーのライブにもいった。

これらのライブの映像を見ていると、エディ・リーダーの才覚が大きいとは思うが、観客とのコミュニケーションが実にうまい。
音楽的なものだけでなく、MC での言葉での直接的なやりとりや、身ぶり手ぶりもふくめてだ。
観客の側も、顔や動き、とくにスローナンバーの「コメディー・ワルツ」なんかで観客同士が肩を抱きあっておどってる姿は、ライブに来ているというより、お祭りやパーティーに来ているかのようだ。
そんな楽しそうな観客のようすを見て、メンバーがうれしそうに目配せする映像もあったはずだ。

実際、おととしのエディ・リーダーのコンサートもそんな感じだった。
ライブ後、ステージから 1 階降りたエントランスのロッカー室で荷物を出していると、突然非常階段のドアがガチャッと開いて、エディ・リーダーが顔を出したのにはびっくりした。
ぼくら観客と二言、三言会話をして、ぼくらが満足したのを確認したようにして、また非常階段のむこうへと消えていった。

さて、前置きがずいぶんと長くなってしまったが、そんなファンのぼくらにとっては、今回のライブ盤、しかも日本の川崎クラブチッタでのライブをおさめたアルバムは、実に興味深い。

しかし、聞いてみると、どうにもほかのライブとの違いが目立つ。
一つは観客の反応。
残念ながら、観客の全員がエディ・リーダーの英語をわかるわけではないし、適切なうけこたえができるわけじゃない。
観客の声は「ワー」「イェー」という、文字どおり言葉にならない叫び声ばかり。
どうにも間の悪い喚声も無きにしもあらずだ。

そして、フェアーグラウンド・アトラクションの側にも若干バラバラな印象があること。
ボーカル、リズム・セクション、ギターやバンドネオンのリズムがそろってなくて、いまひとつ完成度が低い。

まあ、逆にヒット曲の「パーフェクト」あたりでは特別なもりあがりがあるので、救いといえば救いか。

そう思うと、逆になぜこのライブをいまの時点で CD 化したのか、という問題が気になりだす。
ほかに、ライブにしてももう少しましな録音が残っているように思うのだが…。
仮説としては、フェアーグラウンド・アトラクションはとくに日本で根強い人気がある、ということなのではないか。
たしか、エディ・リーダーがソロで出した最近のアルバムでも「日本先行発売」というのがあったはずだ。
その背景に何があるかは、もう少し堀り下げるとおもしろそうだが、一定の人気があってファンの間に自然な範囲での連帯感があること、そして同時に、こぢんまりとした会場でのあったかいライブという逆説的な要素を統一しているというのはなかなか稀有なのではないかと思う.

ぜひ、ほかのライブもパッケージ化してほしい。
できれば、映像とセットになった DVD だとなおいいのだが…。

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